HY: 2010年6月アーカイブ

田北清孝35歳4

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やっと玄関に到着です。

梱包を解き、ここからが大変です。

「せ~のっ」田中君と呼吸を合わせます。

 

気合の言葉とは裏腹に、フッと浮かびます。

 

『なにしてんだろ・・俺・・・こんな重いもの持って・・』

 

「田北さん右です。もう少し右!!」

ぼ~と、していた頭が現実に戻されます。

やば・・・。

 

ゴン!!

 

鈍い音と共に

台所のせまい通路に冷蔵庫がぶつかってしまいました。

 

『やっちまった・・・。』

 

ゆっくり冷蔵庫を下ろします。

お客様も不安そうな顔をしています。

ぶつかった個所が少しへこんでしまいました。

 

「すいません。少しへこんでしまったんですが??」

仕方ないので素直にあやまります。

『交換しないといけないかな??』

『また、これ1Fまで下ろすんかよ・・・』

『始末書だなこれ・・・』

色々な考えが一斉に浮かびます。

 

「え~よ。そのくらい、こんな重たいもの2Fまであげてもらってんだから・・」

お客様の声が神の声に聞こえます。

「申し訳ありません。」

なんどもあやまり後かたずけをします。

 

田中君も無言で動きます。

「もうだめ~。腹減った。」

トラックに乗り込んだ、とたん田中君がつぶやきます。

 

「飯にしようぜ。」

トラックをラーメン屋さんの駐車場に入れます。

いつものランチタイムは、台湾料理の一龍です。

 

落ち込んだ気持ちに

中華料理の匂いや

中国語の言葉が染み込みます。

 

続く・・。

 

 

 

 

 

 

田北清孝35歳3

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「はらへったっすね~。」

助手の田中くんが訴えかけるようです。

そんなこんなのうちに、午前中最後のお客さん宅に到着です。

 

最後の荷物は大型の冷蔵庫です。

それもアパートの2Fまで・・・。

でかい、

重い、

エレベーターは無いし、

階段狭いし、

大変な状況です。

 

「田北さん、入り口入いんないっすよ・・。」

設置場所を確認に行った田中くんが戻ってきます。

「やばい、すよ~。どうしましょう??」

 

清孝くんも設置場所の確認に行きます。

階段を曲がりくねった先の玄関には大きな下駄箱があります。

玄関の奥に台所が、その入り口には、大きな食器棚が・・・。

狭・・・。

 

「う~ん。どうしよう??」

 

『こんなでっかい冷蔵庫をどこからいれんだよ・・・。』

と、思っても・・。

お客さんは入れてくれると信じている、

『文句でもあるのあなたっ』と、まさにお客様は神様顔です。

 

まず、食器棚を移動し通路を作ります。

と、簡単に言いますが、なかの倒れそうなコップや食器類を出して

移動の準備です。

「うんしょ・・こらしょ・・・。」

田中くんと二人で移動です。

 

そして下駄箱の移動です。

「うんしょ・・・こらしょ・・・」

「腹減った・・・。」

田中君がすれ違いざまに、お客さんに聞こえないように

つぶやきます。

 

そして、通路の広さを再度測ります。

ぎりぎり、通れるようです。

さて本番です。

「田北さん応援呼びましょうよ・・。」

田中君の泣きの一言です。

 

「ふんが~」

気合と根性で持ち上げます。

もともと、そういう根性論は好きではないのですが

この際なんでもフル活用です。

 

階段を一歩一歩慎重に上がります。

 

「タイム・・タイムッス・・・」

 

途中一度下に下ろします。

赤い顔の田中君の顔はびしょびしょの汗です。

 

続く・・・。

田北清孝35歳 2

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荷物の積み込みも無事に終わり配達に出発です。

今日の助手は、アルバイトの田中君です。

清孝くんの勤める**運輸は、主に、百貨店や家具屋の配達をしています。

大きな荷物が多いいので、いつも2名で配達に行きます。

 

さて出発です。

最初のお客様は、駿河台の鈴木さん、食器棚とダイニングセットの配達です。

助手席の田中君は、さっそく昨日の飲み会の話題です。

「昨日、二十二十に行ったんすけど・・。あそこ刺身うまっすね~。」

二十二十は創作料理の店で、刺身や和牛など、その日に良いもの

日替わりで出してくれる居酒屋です。

刺身か~最近食ってないな~。

清孝君の頭につやつやした刺身のイメージが広がります。

 

30分ぐらい走り鈴木さん宅に到着です。

荷物を降ろし、次の客宅へ出発です。

数件のお客様のお宅を廻り、お昼近くになってきました。

 

続く

 

 

 

 

 

 

田北清孝35歳

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お店を開業する流れを小説風に書きたいと思います。

 

その1、思いつき・・。

 

清孝くんは、朝の黄色い光が強くて目が開きません・・・。

「早くおきな~時間だよ~。」

遠くから、声がします。

 

 田北清孝くんは35歳、**運輸で配達の仕事しています。

今日も、朝は8時に出勤の予定ですがもうすぐ7時15分になろうとしています。

もさもさと起きだし歯ブラシをくわえキッチンに行きます。

 

キッチンには小学生3年生、清人君がご飯を頬張っています。

「うおはよ~。」

 

6月に入り、少し汗ばむ季節の中、清孝くんは、自転車で20分程度の通勤時間です。

会社に付くと、アルバイトの田中君が数名の仲間と雑談していました。

 

「おはようす。」

しばし雑談に参加です。

「田北さん、昨日木村さんと飲んだんすけど、木村さんひどいんすよ~。」

と、たわいの話が続きます。

 

さて、「どっこらしょ。」と仕事の開始です。

トラックに荷物を積み込みをはじめます。

 

続く。

 

 

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