やっと玄関に到着です。
梱包を解き、ここからが大変です。
「せ~のっ」田中君と呼吸を合わせます。
気合の言葉とは裏腹に、フッと浮かびます。
『なにしてんだろ・・俺・・・こんな重いもの持って・・』
「田北さん右です。もう少し右!!」
ぼ~と、していた頭が現実に戻されます。
やば・・・。
ゴン!!
鈍い音と共に
台所のせまい通路に冷蔵庫がぶつかってしまいました。
『やっちまった・・・。』
ゆっくり冷蔵庫を下ろします。
お客様も不安そうな顔をしています。
ぶつかった個所が少しへこんでしまいました。
「すいません。少しへこんでしまったんですが??」
仕方ないので素直にあやまります。
『交換しないといけないかな??』
『また、これ1Fまで下ろすんかよ・・・』
『始末書だなこれ・・・』
色々な考えが一斉に浮かびます。
「え~よ。そのくらい、こんな重たいもの2Fまであげてもらってんだから・・」
お客様の声が神の声に聞こえます。
「申し訳ありません。」
なんどもあやまり後かたずけをします。
田中君も無言で動きます。
「もうだめ~。腹減った。」
トラックに乗り込んだ、とたん田中君がつぶやきます。
「飯にしようぜ。」
トラックをラーメン屋さんの駐車場に入れます。
いつものランチタイムは、台湾料理の一龍です。
落ち込んだ気持ちに
中華料理の匂いや
中国語の言葉が染み込みます。
続く・・。
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