HY: 2010年8月アーカイブ

田北清孝35歳9

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マスターは、手際よく料理を作っていきます。

唐揚げに、チャーシューを切っていきます。

無駄の無いスピーデイーな動きで、ほとんどの料理を1人で作っています。

 

わいわいとした雰囲気の中で、仕事の緊張感や

ネガテイブな気持ちが解けていくのが分かります。

『ここ、居心地いいわ~!』

 

「生、お願いします!」

田中君がお代わりを頼んでいます。

メニューボードに目を移し追加の料理をチョイスし、

ももねちゃんが、生ビールを持って来たとき注文です。

「コロコロ焼き鳥に、うまいってばを、お願いします。」

「うまいってば、ですよ、田北さん、うまいにきまってますよね~。」

田中君は上機嫌です。

 

マスターと友二くんが最近買った自転車の話で盛り上がっています。

二十二十自転車部の発起か??

 

「いらっしゃい。」

マスターが入り口に向かって挨拶しています。

そこに、介護施設に勤める貞子さんが友人と来店です。

 

これで、カウンター席は満席です。

 

「生、ちょうだい!それと、マーボー豆腐食べたいんだけど!出来る!」

貞子さんの、いきなりのめちゃぶりです。

「ここ中華屋じゃあねえし!」

友二くんがあきれた顔をしています。

 

「出来ますよ二十二十風でよければ!」

マスターがお通しを出しながら返事しています。

 

『へ~!マーボー豆腐も出来るんだ?』

清孝君は少し関心です。

なぜか、マーボー豆腐に反応する清孝君です。

 

湯気の上がったおいしそうなマーボー豆腐が出てきます。

「うまそう~!」

田中君が食べたそう~な顔です。

 

あまりに食べたそうな顔に貞子さんから、おすそ分けです。

「はいどうぞ~」

マーボー豆腐がのった小皿が渡されます。

 

一口食べた清孝君は呟きます。

『うまいや、俺の作るのと少し違うけど・・。』

『でも、俺のもうまいよな・・・。』

清孝君は考えます。

味噌が違うのかな??

 

「マスターなんでも出来るじゃん!すごいね!」

貞子さんの弾んだ声が聞こえます。

「ありがとうございます。」

マスターが短く答えます。

 

「俺もマーボー豆腐得意なんだよ!」

思わず田北君はマスターの顔を見ます。

「でも、ちょっと味が違うんだよな~」

 

マスターは、

「田北さんも料理するんすか??味噌とは調味料が違うんじゃないすか??」

「俺あんまり醤油入れないでマイルド系に仕上げますので・・」

律儀に答えてくれます。

 

「学生の時によく作ったんだよ!みんなで、大盛ご飯に、マーボー豆腐

結構評判良かったんだよ。」

「へ~以外っすね田北さんが料理するなんて??」

田中君の不信そうな表情がおかしい。

 

 『俺にも出来るかな・・・??』

 

続く・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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