マスターは、手際よく料理を作っていきます。
唐揚げに、チャーシューを切っていきます。
無駄の無いスピーデイーな動きで、ほとんどの料理を1人で作っています。
わいわいとした雰囲気の中で、仕事の緊張感や
ネガテイブな気持ちが解けていくのが分かります。
『ここ、居心地いいわ~!』
「生、お願いします!」
田中君がお代わりを頼んでいます。
メニューボードに目を移し追加の料理をチョイスし、
ももねちゃんが、生ビールを持って来たとき注文です。
「コロコロ焼き鳥に、うまいってばを、お願いします。」
「うまいってば、ですよ、田北さん、うまいにきまってますよね~。」
田中君は上機嫌です。
マスターと友二くんが最近買った自転車の話で盛り上がっています。
二十二十自転車部の発起か??
「いらっしゃい。」
マスターが入り口に向かって挨拶しています。
そこに、介護施設に勤める貞子さんが友人と来店です。
これで、カウンター席は満席です。
「生、ちょうだい!それと、マーボー豆腐食べたいんだけど!出来る!」
貞子さんの、いきなりのめちゃぶりです。
「ここ中華屋じゃあねえし!」
友二くんがあきれた顔をしています。
「出来ますよ二十二十風でよければ!」
マスターがお通しを出しながら返事しています。
『へ~!マーボー豆腐も出来るんだ?』
清孝君は少し関心です。
なぜか、マーボー豆腐に反応する清孝君です。
湯気の上がったおいしそうなマーボー豆腐が出てきます。
「うまそう~!」
田中君が食べたそう~な顔です。
あまりに食べたそうな顔に貞子さんから、おすそ分けです。
「はいどうぞ~」
マーボー豆腐がのった小皿が渡されます。
一口食べた清孝君は呟きます。
『うまいや、俺の作るのと少し違うけど・・。』
『でも、俺のもうまいよな・・・。』
清孝君は考えます。
味噌が違うのかな??
「マスターなんでも出来るじゃん!すごいね!」
貞子さんの弾んだ声が聞こえます。
「ありがとうございます。」
マスターが短く答えます。
「俺もマーボー豆腐得意なんだよ!」
思わず田北君はマスターの顔を見ます。
「でも、ちょっと味が違うんだよな~」
マスターは、
「田北さんも料理するんすか??味噌とは調味料が違うんじゃないすか??」
「俺あんまり醤油入れないでマイルド系に仕上げますので・・」
律儀に答えてくれます。
「学生の時によく作ったんだよ!みんなで、大盛ご飯に、マーボー豆腐
結構評判良かったんだよ。」
「へ~以外っすね田北さんが料理するなんて??」
田中君の不信そうな表情がおかしい。
『俺にも出来るかな・・・??』
続く・・・・
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